鏡を見て、
「あれ?」
首が黒い。
腕も茶色っぽくなっている。
赤みやかゆみは前よりマシなのに、肌の色だけがなかなか戻らない。
そして頭に浮かぶ。

「もしかして、ステロイドを塗っていたから?」
薬を塗っていた場所と黒ずみが重なれば、そう考えてしまうのも無理はありません。
「このまま塗っていて大丈夫?」
「もっと黒くなったらどうしよう」
不安になって、塗る量を減らしたり、自己判断でやめたくなる方もいるでしょう。
でも、ここには知っておいてほしいことがあります。
「ステロイド=肌を黒くする」とは限りません
日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」には、この点がかなり明確に書かれています。
ステロイド外用薬を使ったあとに色素沈着が見られることがありますが、それは皮膚炎が続いたことによって生じた炎症後色素沈着であり、炎症が落ち着くことで目立ってくるもので、ステロイド外用薬そのものによるものではないとされています。
つまり、
「ステロイドを塗った」
↓
「その場所が黒くなった」
↓
「だからステロイドが黒くした」
とは単純には言えないということです。
肌の中では何が起きている?
皮膚に炎症がある。
かゆいから掻く。
少し良くなる。
またかゆくなる。
首なら洋服の襟でも擦れます。
お風呂で「きれいにしなきゃ」とゴシゴシ洗ってしまうこともあります。
こうした炎症や刺激が繰り返されると、メラニンが増え、茶色から黒っぽい色素沈着として残る可能性があります。
肌からすれば、
「ずっと刺激を受け続けていた記録」
のようなものかもしれません。
だから黒ずみだけを見て、すぐに「薬の副作用」と決めてしまわないでほしいんです。
そして、もう一つ。
ここからが、今回いちばん知っていただきたい話です。
「かゆくなくなった=炎症が完全に落ち着いた」とも限りません。
黒ずみを何とかしたい方ほど、この違いを知っておいてほしいと思います。
黒ずみだけを何とかしようとする前に
「もうかゆくないし、あとはシミだけ」
そう思って、美白化粧品を使う。
強く洗う。
ピーリングを始める。
ところが、なかなか薄くならない。
そんな場合、確認したいことがあります。
その肌、本当に炎症が落ち着いているでしょうか?
参考資料では、炎症後色素沈着と、まだ慢性的な炎症が続いている肌は、見た目が似ている場合があるとされています。
私はこれを、
「火は消えたように見えるけれど、まだ熱を持っている状態」
と考えると分かりやすいと思います。
かゆくない。
でも、少し赤い。
乾燥している。
触るとゴワゴワする。
時々またかゆくなる。
そんな状態なら、色だけを何とかしようとするより、まず肌の状態そのものを確認することが大切です。
日本皮膚科学会でも、アトピー性皮膚炎では炎症を抑えることとスキンケアをきちんと行うことが治療の大原則とされています。
そして、漢方ではもう一つ先を見ます
ここからは漢方相談の考え方です。
同じように首が黒ずんでいる二人がいたとしても、私は同じ見方をするとは限りません。
胃腸が弱い。
冷えやすい。
睡眠が浅い。
汗をかくと悪化しやすい。
食生活が乱れている。
季節の変わり目に繰り返す。
ストレスが続くと肌にも出やすい。
一人ひとり違います。
漢方には**「証」**という、その人の状態を見立てる考え方があります。
だから、
「アトピーだから、この漢方」
「黒ずみだから、この漢方」
という選び方ではありません。
皮膚に出ているものだけでなく、全身の状態や生活背景を聞きながら、
「この人の場合、どこを整えていく選択肢があるだろう?」
と考えていきます。
ここが、にんじん堂薬局が大切にしているところです。
もちろん、医療機関で必要と判断された治療を否定するものではありません。
外用薬を適切に使って炎症を抑える。
スキンケアをする。
そして必要に応じて、漢方という視点から体質を整えていく。
どれか一つに決めつけるのではなく、選択肢を持つ。
それでいいと思うんです。
「ステロイドが怖い」で終わらせない
もし今、
「ステロイドを塗ったから黒くなったんじゃないか」
と思っているなら、
薬を自己判断でやめる前に、一度こう考えてみてください。
「今、私の肌では何が起きているんだろう?」
黒ずみは、その答えを考える入口になります。
薬の使い方が心配なら、まず処方した医師や薬剤師に相談する。
そして、
「何度も繰り返すことも含めて、体質から一度見てもらいたい」
と思われたら、漢方相談という選択肢もあります。
明石市まで来るのが難しい方は、オンラインでもご相談いただけます。
忙しい方。
遠方の方。
人目が気になって来店しづらい方。
「私の場合はどうなんだろう?」
そんな相談からで大丈夫です。
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