「先生、軟膏とクリームって何が違うんですか?」
薬局で何度も聞かれる質問があります。
「軟膏の方が強いんですか?」
「クリームの方が効くんですか?」
この質問を聞くたびに、
私は少しだけ言葉を変えてお答えしています。
「効き目の勝負ではないかもしれません。」
ここが意外と知られていないところです。
例えば、
冬になるとカサカサ。
夏になるとベタベタ。
同じ人でも季節で肌は変わります。
だから、
薬の形も変わることがあります。
軟膏は油分が多く、
皮膚を保護しやすい特徴があります。
乾燥している時には選ばれることが多い剤形です。
一方でクリームは、
伸びがよく、
ベタつきが少ないため、
夏場や広い範囲で使われることもあります。
つまり、
「どちらが優秀か」ではなく、「今の肌に合っているか」。
ここがポイントになります。
しかし、
私は相談の中で、もう一つ気になることがあります。
同じ薬を使っても、
良い状態が続く方と、
何度も繰り返してしまう方がいることです。
ここから先は、
私が漢方相談で必ず確認している、
「なぜ同じ薬でも結果が変わることがあるのか」
についてお話しします。
外用薬は肌の表面を整える大切な選択肢です。
しかし、
皮膚は体の一部です。
同じ湿疹のように見えても、
汗をかきやすい人。
乾燥しやすい人。
疲れると悪化しやすい人。
胃腸が弱い人。
眠りが浅い人。
冷えが強い人。
漢方では、それぞれ体のバランスが違うと考えます。
そのため、
同じ外用薬でも、
繰り返しやすい背景は人によって異なる可能性があります。
にんじん堂薬局では、
まず薬歴よりも、
生活習慣や睡眠、食事、汗、冷え、便通などを丁寧に伺います。
そこから「証」を見立て、
体質に合わせた漢方をご提案しています。
これは全国どこでも同じ処方をおすすめする方法ではありません。
一人ひとり違うからです。
だから私は、
「この漢方が万能です。」
とは言いません。
その代わり、
あなたに合う可能性のある選択肢を一緒に探していきます。
皮膚だけを見るのではなく、
人を診る。
それが私が40年以上続けてきた漢方相談です。
もし長く繰り返している症状があるなら、
外用薬を否定するのではなく、
「体質という視点」も一度加えてみる。
そんな選択肢もあって良いのではないでしょうか。
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