「この薬を飲んで、かゆみはどうですか?」
私は相談中によくこの質問をします。
すると返ってくる答えは、
「前よりマシです」
「まだ結構かゆいです」
「なんとなく良くなった気がします」
実はこれ、ものすごくよくあるやり取りです。
でも薬剤師としては、少し悩む瞬間でもあります。
なぜなら、
"前よりマシ"
がどれくらいマシなのか分からないからです。

例えば体重なら体重計があります。
血圧なら血圧計があります。
血糖値なら採血があります。
ところが、かゆみには体重計のような道具がありません。
本人しか分からない感覚なんです。
私はよくこんな例え話をします。
真っ暗な部屋で車を運転している状態。
前に進んでいる気はする。
でもメーターがない。
これでは目的地に近づいているのか分かりません。
かゆみの経過も少し似ています。
だから医療の現場では、
「今のかゆみを0〜10で表現してください」
という方法を使うことがあります。
昨日が10だったら今日は何点ですか?
そんな聞き方です。
数字にすると意外なことが見えてきます。
患者さん自身も、
「あれ?思ったより良くなっているかも」
と気付くことがあります。
逆に、
「良くなったと思っていたけど実は変わっていない」
というケースもあります。
かゆみは睡眠にも影響します。
夜中に目が覚める。
朝から疲れている。
集中力が続かない。
気分まで沈んでしまう。
こうした状態は生活の質を大きく左右します。
だからこそ、感覚だけではなく経過を見る視点が大切になります。
ここで漢方相談の面白いところがあります。
私は皮膚だけを見ません。
実は皮膚より先に、
「眠れていますか?」
「汗はどうですか?」
「便通はどうですか?」
「食欲はありますか?」
そんな質問をすることがあります。
なぜなら同じ『かゆい』でも背景が違うことが少なくないからです。
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ここから先は、店頭でしか話さない内容です
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なぜ同じアトピーでも効く方法が違うのか。
なぜ皮膚だけ見ていると遠回りになることがあるのか。
そして私が実際の相談で見ている「かゆみ以外の重要サイン」についてお話します。
ここを知ると、漢方相談で何を見ているのかがかなり理解しやすくなると思います。
私が最初に見るのは皮膚ではなく「全体像」
伝統的な漢方では、皮膚は体の内側の状態を映す鏡のような存在と考えます。
例えば、
・夜になるとかゆみが強くなる人
・汗をかくとかゆくなる人
・お風呂上がりだけ悪化する人
・眠りが浅い人
・便秘傾向の人
これらは同じように見えても背景が異なる可能性があります。
だから私は、
皮膚
↓
生活
↓
睡眠
↓
食事
↓
便通
↓
体質
という順番で全体像を組み立てていきます。
ここを間違えると、症状だけを追いかけ続けることになりやすいからです。
かゆみ日記をつけるだけで見えるもの
おすすめは、
・今日のかゆみ(0〜10)
・睡眠時間
・便通
・食べたもの
・ストレスの有無
を簡単にメモすること。
続けると、自分でも気付かなかった傾向が見えてくることがあります。
実際、相談の現場でも大きなヒントになることが少なくありません。
「原因探し」ではなく、
「どんな時に悪化しやすいのか」
を見るための記録です。
これが体質を考える第一歩になることがあります。
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