15歳以上の日本人の中で、3人に1人は頭痛もちといわれます。
ロキソニン、セレコックス、ゾーミック、イミグラン、リリカなどいろいろな鎮痛薬がありますが
はっきり頭痛の原因がわかる人は100人に1人とも言われ、なかなか治らない頭痛にお悩みの方は多いです。
頭痛の漢方薬について紹介します
まず頭痛は、【機能性頭痛】と【症候性頭痛】のふたつに大きく分けられます。
症候性頭痛 原因となる病気がある頭痛
特にくも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、慢性硬膜下血腫が原因で起こる頭痛には命に関わる危険性があるため、早めの処置が必要です。
その他にも目や耳、鼻の病気や虫歯、風邪などが原因で起こるものなどがあります。
機能性頭痛 検査などではっきりとした異常が認められない頭痛。
ほとんどの慢性頭痛はこちらのタイプになります。
さまざまなタイプがありますが、「緊張性頭痛」、「片頭痛」、「群発頭痛」の3つが代表的です。緊張性頭痛と片頭痛が混在する人もいます。
①緊張性頭痛
3つの頭痛の中で一番多いのが緊張性頭痛です。頭全体がしめつけられるような痛みがありす。
精神的ストレスや長い時間同じ姿勢がつづくといった身体的ストレスが原因で首や頭の筋肉が緊張し、血流が悪くなることでおこると考えられています。
また、目の使い過ぎによる疲労が筋肉のコリを引き起こし、頭痛を誘発することがあります。頭痛が起きないようにするには、首や肩を温めて筋肉の緊張をほぐしてあげることが大切です。
②片頭痛
週1~2回から月1~2回までの頻度で発作的におこることが多く、ズキズキと脈打つような痛みが特徴です。
男性に比べて女性に多く見られる頭痛で、脳に血液を送る血管が拡張すると頭痛がおきやすくなります。また、生理周期にも関連して起こります。排卵期や月経前~月経初日に起きやすいケースもあり、女性ホルモンが関係しているのではないかと考えられます。
その他にも、ストレスや疲労のほか、寝すぎ・寝不足といった不規則な睡眠、梅雨や台風時期の低気圧といった気候の変化などがきっかけで頭痛が起こります。
③群発頭痛
人数的には少ないです。激しい痛みで、一度発作がでると1~2か月ぐらいほぼ同じ時間帯に毎日痛みが続くようになります。
体内時計が関係しているのではないかともいわれています。(20代から30代の男性に多い)
●「ロキソニン」が効かないタイプの頭痛があります
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、ロキソニンをはじめ、バファリン配合錠、イブプロフェン、セレコックス、ボルタレン、ポンタールなどたくさんの種類が発売されています。
通常、ロキソニンがよく効くのは、緊張性頭痛だけで「片頭痛」や「群発頭痛」には効きません。
片頭痛専用の痛み止めトリプタン製剤(イミグランなど)がありますので、病院でご相談ください。
頭痛に効く漢方薬
繰り返しおこる頭痛。鎮痛薬を飲んでいても、再発しないようにしっかり治したいものです。
さまざまな種類・原因の頭痛ですが、漢方薬の選び方は
日常生活に支障のある頭痛が、どんな時に起こるのか?どんな体質なのか?それぞれ特徴があります
呉 茱萸 湯(ゴシュユトウ)「傷寒論」という古典書に書かれている処方です
手足が冷えやすく激しい頭痛があるタイプ。胃の冷え。習慣性頭痛と吐き気があることもあり、めまいがないのが特徴です
片頭痛に効果があり、鎮痛薬と合わせて飲むこともできます
釣藤散(チョウトウサン)
中年期以降の人で、やや血圧が高めタイプ。イライラしやすい人。
早朝~午前中に頭痛が起こることが多く肩こりやめまい、耳鳴り、のぼせなどがあり、それらにも効きます
川芎茶調散(センキュウチャチョウサン)
和剤局方という古典書にのっている処方です。
「風邪(ふうじゃ)を外に散ずる」ものとあって、風邪や寒さのせいでおこった頭痛やめまいに効きます。
(気虚や血虚の頭痛には使わない)
忘憂歓(ボウユウカン)
成分内容は、ボウユウソウ、センソウ花、ネムの花、貝殻粉末、エゾウコギ、小麦胚芽、ナツメ、カンゾウ、ユリ、ハスの実。
自律神経のバランスを整え頭痛の原因とされる神経物質を制御、改善するものが配合されています。
体内時計を調整する働きもあると言われています。どのタイプの頭痛にもよい。
ほかにもたくさんの漢方処方がありますのでご相談ください。
また、食や環境の変化にともない不足したミネラルを補うことで身体の機能が正常になります。体調を整えるために、食べものの栄養バランスについても見直してみてください。