緑内障は、視神経が障害される病気です。
緑内障というと、眼圧の上昇でおこることが知られていますが、日本では眼圧が正常なタイプの緑内障が多いです。
眼圧が高くなったり、眼圧に対する視神経の抵抗力が弱いと、網膜の視神経乳頭が圧迫されて「神経線維」が切れてしまうことがあります。そして、切れた個所に応じて、視野に見えない部分ができるのです(視野欠損)
これが緑内障です。
40歳代以降の中高年によくみられ、日本では患者数が年々増加しています。緑内障は、初期~中期のうちは自覚症状がほとんどないので、自分ではなかなか気がつくことができません。ですから、潜在患者数はもっと多いのではないかと考えられます。
●房水
眼圧は、眼球内を満たしている「房水」という透明な液体によって一定に保たれています。角膜と水晶体の間を流れながら、角膜や水晶体などの組織に酸素と栄養を供給したり、老廃物を受け取ったりしています。
そのあと、隅角にあるフィルターのような組織でろ過され、シュレム管という管から静脈へ排出されます。
この房水の「産生」と「排出」がバランスよくいっていれば眼圧は一定に保たれます。
ところが、何らかの原因でそのバランスが崩れると、房水の流れが滞って眼球内に房水が溜まり、眼圧が上がってしまいます。
すると、視神経乳頭に強い圧力がかかって、緑内障がおこってくるのです。
緑内障の人に多い要素
▲高度近視
▲遠視
▲低血圧、冷え性、片頭痛
▲高血圧、糖尿病
ほうっておくと、神経線維の障害された範囲が広がり視野の欠損は10年単位で進むと言われています。
40歳を過ぎたら、2~3年に1回は眼科で検査を受けましょう。特に家族に緑内障の人がいる場合は、1年に1回は検査を受けることをおすすめします。
病院での治療と並行して、普段から血流を良くしておくことが大切です。