「のどに何かつかえる感じがする」というご相談はとても多いです。
耳鼻咽喉科で、検査してもらっても原因になる所見が見当たらない、
漢方では咽喉頭異常感を古来より、「梅核気」あるいは「咽中炙臠(いんちゅうしゃにく)」と表現して、
気鬱(きうつ)と同時に痰が咽喉にとどまり起こる異物感と捉えています。
体全体をめぐるはずの「気」が、何らかの理由で循環が悪くなり、ふさがって停滞している状態
内視鏡で調べても「気」はカメラに写らないので、西洋薬だけでは難しいです。
治療には、気の巡りをよくする方剤がよく用いられます。
半夏厚朴湯にはふさがって停滞している気を開放し、痰を散らす作用があります。
また、咽喉頭異常感だけでなく、胸のつまり感、動悸、めまい、不安などの神経症的訴えも半夏厚朴湯の使用目標です。
気の滞りがおこる気滞体質の方は、ストレスに敏感であったり、溜め込みやすいタイプの方であったりするので
漢方治療と並行して『質的な栄養失調』を解消することが必要不可欠であろうと思います。
『質的な栄養失調』とは、糖質過多、脂肪酸不足、ミネラル不足などのため、エネルギー(気)がうまく作り出せなくなっている人です。
とくに、ストレスが多いときは、肝臓に亜鉛(ミネラル)を集めて私たちの身体は対処する必要があるので
亜鉛不足では、うつっぽくなりやすくなります。