アトピーと植物油|油を全部やめる前に見直したい食事の重なり
「アトピーには植物油がよくないらしい」
そう聞いた日の夕食。
炒め物を見て不安になり、ドレッシングの表示を確認。マヨネーズを冷蔵庫へ戻し、最後には、
「もう油は全部やめたほうがいいの?」

食卓が、ちょっとした取り調べ室になります。
アトピー性皮膚炎に悩んでいると、少しでも肌によくない可能性があるものを避けたくなりますよね。
その気持ちはよく分かります。
でも、植物油をすべて悪者にしてよいのでしょうか?
先に答えを言うと、そこまで単純ではありません。
「植物油=アトピーの原因」ではない
植物油の多くには、リノール酸という脂肪酸が含まれています。
リノール酸は、体内で十分につくることができないため、食事から摂る必要がある必須脂肪酸です。皮膚を含め、体のさまざまな働きに関わっています。
その一方で、リノール酸からは体内でアラキドン酸がつくられ、さらに炎症に関係する物質の材料になることがあります。
ここだけ聞くと、
「やっぱり植物油は危ないやん」
と思うかもしれません。
ただし、リノール酸を含む食品を食べたからといって、それだけでアトピーが悪化すると決まるわけではありません。
アトピー性皮膚炎には、皮膚のバリア機能、アレルギー反応、汗、乾燥、睡眠、ストレス、生活環境など、さまざまな要因が関係します。
油だけを犯人にすると、本当に見直すべきことを見落とす可能性があります。
問題は「油」より「重なり」かもしれない
確認してほしいのは、植物油を一度でも食べたかどうかではありません。
毎日の食事の中で、油を多く含む食品が重なっていないかです。
例えば、
- 朝は菓子パン
- 昼は揚げ物入りのお弁当
- 間食にポテトチップス
- 夜は炒め物とマヨネーズたっぷりのサラダ
一つひとつは珍しくありません。
ところが一日を通して見ると、朝から晩まで油がリレーをしています。
本人は「揚げ物は昼だけ」と思っていても、パン、ドレッシング、マヨネーズ、お菓子、インスタント食品などから、知らないうちに重なっていることがあります。
冷蔵庫の油だけ隠しても、選手はほかにもおるわけです。
まずは「油抜き」より食事メモ
では、何から始めればよいのでしょうか。
おすすめは、一週間だけ食べたものを書き出すことです。
細かなカロリー計算は必要ありません。
次の三つに印をつけるだけでも、食事の傾向が見えてきます。
- 揚げ物を食べた日
- マヨネーズやドレッシングを多く使った日
- スナック菓子やインスタント食品を食べた日
毎日いくつも重なっているなら、全部禁止するのではなく、まず一つ減らしてみます。
揚げ物を焼き物や蒸し物にする。
スナック菓子を毎日から週に数回へ変える。
魚料理を一品増やす。
これなら無理が少なく、食事全体の偏りも確認できます。
「何を抜くか」だけで考えない
アトピーの食事について調べると、
「小麦をやめる」
「乳製品をやめる」
「植物油をやめる」
次々と禁止事項が増えていきます。
その結果、食べられるものが減り、食事の時間そのものが苦痛になってしまうこともあります。
食物アレルギーが確認されている場合などを除き、自己判断で極端な除去を続けることには注意が必要です。
現在受けている治療も、食事だけで何とかしようとして自己判断で中断しないでください。
食事を見直す目的は、犯人探しをすることではありません。
自分の食生活に、どんな偏りや重なりがあるのかを知ることです。
「植物油は全部ダメ」と決める前に、まず一週間の食事を眺めてみる。
そこには、油の種類より先に見直せる習慣が隠れているかもしれません。
薬を売るだけなら、ここまで考えません。長年、店頭で相談を受けてきたからこそ、症状の奥にある「なぜ?」を考え続けてきました。このnoteでは、知っているだけで体の見方が変わる話をお届けします。健康情報に迷子になりたくない方は、フォローして登録しておいてください。




