「掻いたらダメ‼」

そう分かっているのに、気づけば同じところを掻いている。

寝ている間に掻いてしまい、朝になるとシーツに血がついていた。そんな経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

意志が弱いからではありません。

掻いた瞬間に、少し気持ちよく感じてしまうことにも理由があります。

かゆみも皮膚が受け取る感覚の一つ

かゆみは、皮膚が受け取る感覚の一つです。

私たちの体は、触れた感じ、温度、痛み、かゆみなど、さまざまな刺激を神経を通じて受け取っています。

かゆい場所を掻くと、皮膚に別の刺激が加わります。その刺激によって、かゆみが一時的にまぎれたように感じることがあります。

だから、ついもう一度。

さらに、もう一度。

掻いている間は少し楽でも、しばらくすると前より気になってくる。ここに、かゆみが繰り返しやすくなる入口があります。

「気持ちいい」が悪循環の始まりになることも

強く掻いた皮膚には、目に見えない小さな傷ができることがあります。

皮膚の守る力が低下すると、衣服のこすれや汗、乾燥といった普段なら気にならない刺激にも、敏感に反応しやすくなる可能性があります。

すると、またかゆい。

また掻く。

そして、さらに皮膚が傷つく。

この流れは「かゆみと掻破の悪循環」と呼ばれることがあります。

「掻かないでください」と言われても、かゆい本人にとっては、それが一番難しいのです。

我慢以外にも選択肢はあります

かゆみを感じたときは、掻く代わりに次のような方法を試す選択肢があります。

冷たいタオルなどで短時間冷やす。

肌に合う保湿剤で乾燥を防ぐ。

爪を短く、角が残らないように整える。

寝ている間に掻く場合は、綿の手袋や肌当たりのやさしい寝具を検討する。

汗をかいたままにせず、やさしく洗い流す。

ただし、冷やしすぎや、合わない保湿剤の使用が刺激になる場合もあります。皮膚の状態を見ながら、無理のない方法を選ぶことが大切です。

かゆみが長く続く、眠れない、傷や腫れがある、範囲が広がっている場合には、医療機関で状態を確認してもらうことも重要です。

漢方では「かゆみの後ろ側」も見ます

漢方相談では、かゆみという一つの症状だけで判断するのではなく、その方に現れている全体の傾向を見て「証」を考えます。

たとえば、

皮膚が乾いて粉をふく。

赤みや熱感が目立つ。

夜になるとかゆみが強くなる。

疲れると悪化しやすい。

胃腸の調子が不安定。

季節の変わり目に繰り返す。

同じ「かゆい」でも、背景は一人ひとり異なる可能性があります。

明石市のにんじん堂薬局では、皮膚の状態だけでなく、食事、睡眠、便通、冷えや熱感、これまでの経過まで丁寧に伺います。

伝統的な「証」の見立てを基本に、その方の体質や生活に合う整え方を一緒に探していくことが、私たちの漢方相談です。

「また掻いてしまった」と自分を責めなくても大丈夫。

必要なのは根性ではなく、皮膚への刺激を減らし、かゆみを繰り返しにくい方向へ整える選択肢を増やすことかもしれません。

忙しくて来店が難しい方、遠方にお住まいの方、人目が気になる方には、オンライン相談もご用意しています。

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