「塗っているのに、なぜか戻る」

ある日、こんな相談を受けました。

「先生、調子が良くなったと思ったら、また悪くなるんです。」

この言葉。

実は珍しくありません。

アトピーに限らず、慢性的な皮膚トラブルではよく聞く話です。

もちろん薬で症状を落ち着かせることは大切です。

しかし、

「なぜ繰り返すのだろう?」

という疑問を持つことも大切かもしれません。

例えるなら、

床に水があふれている時に、雑巾で拭くことは必要です。

でも、蛇口が開いたままだったらどうでしょう。

拭いても拭いても、また水が出てきます。

皮膚の症状も少し似ているところがあるかもしれません。

アトピーは皮膚だけの問題なのか?

東洋医学では、

皮膚は内臓や気血水の状態を映す鏡のような存在と考えます。

例えば、

  • 食後に眠くなる

  • 疲れやすい

  • お腹が張る

  • 便秘や下痢を繰り返す

  • 夜中に目が覚める

  • ストレスを抱えやすい

こうしたことが重なっている方も少なくありません。

もちろん全員ではありません。

ただ、こうした背景が皮膚の状態に影響している可能性は考えられます。

同じアトピーでも違う

長年相談を受けていると、

同じアトピーという言葉ではまとめられないと感じます。

乾燥が中心の方。

赤みが目立つ方。

ジュクジュクしやすい方。

ストレスが強く関係していそうな方。

胃腸が弱っている印象の方。

実にさまざまです。

だから、

「この方法なら全員に合う」

という考え方は難しいのです。

ここが漢方の面白いところでもあります。

病名ではなく、

その人そのものを見る。

これが漢方相談の出発点です。


ここからは実際の相談現場で私がどのような視点で体質を見ているのか。

アトピー相談で特に重要だと感じているポイントをお伝えします。

「何を質問するのか」

「どこを見るのか」

「なぜ同じ病名でも処方が変わるのか」

この部分を知ると、漢方相談の考え方がぐっと理解しやすくなると思います。


私が最初に確認する3つのポイント

①胃腸の状態

東洋医学では「脾胃」が土台と考えられています。

食べたものをエネルギーへ変える力が弱っていると、皮膚の回復力にも影響する可能性があります。

②睡眠の質

寝ても疲れが取れない。

夢をよく見る。

途中で目が覚める。

こうした状態は体の回復力に関係することがあります。

③皮膚以外のサイン

冷え。

汗。

便通。

ストレス。

舌の状態。

脈。

実は皮膚以外の情報が、体質を読み解くヒントになることがあります。

漢方相談は症状だけを見るのではなく、

「なぜその人にその症状が現れているのか」

を考える作業です。

ここに根本改善を目指すための大切なヒントが隠れていることがあります。

にんじん堂薬局では、こうした視点から一人ひとり丁寧に体質を見立てています。

病名よりも、その人自身を見る。

それが私の大切にしている相談スタイルです。

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