「また出た。昨日、何を食べたっけ?」
腕やお腹に赤い膨らみを見つけると、頭の中で始まるのが食事の取り調べです。
卵? 魚? お菓子?

冷蔵庫の中身を一つずつ疑ってみる。ところが翌日は同じ物を食べても何も起こらず、忘れた頃にまた別の場所へ出てくる。
「結局、何が原因なの?」
この、答えの見えない感じがつらいんですよね。
じんましんは、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、多くはかゆみを伴います。一つひとつの膨らみは数十分から数時間ほどで消えることが多く、別の場所に現れることもあります。
まるで、赤い雲が皮膚の上を移動しているような症状です。
食べ物だけを疑うと、見えなくなるもの
食べ物や薬が、じんましんのきっかけになる場合はあります。
ただし、原因はそれだけとは限りません。
- お風呂で体が温まったあと
- 運動や仕事で汗をかいたあと
- ベルトや下着で皮膚が圧迫されたとき
- 寒い場所へ出たとき
- 疲れや睡眠不足が重なった日
このような温度差、汗、摩擦、圧迫などの刺激が関係する可能性もあります。いくつかの条件が重なっていることもあり、はっきりした原因を特定できないケースも少なくありません。
それなのに、食べ物だけを容疑者にすると、パン、卵、乳製品、魚……と、食べられる物が次々に減ってしまうことがあります。
食事制限を始める前に、まず確認してほしいことがあります。
消える前に「証拠写真」を一枚
じんましんの困ったところは、相談する頃には消えていることです。
昨日は確かに赤く盛り上がっていたのに、今日は何も残っていない。
こちらとしても「昨日は、かなり出ていたんです」というお話だけでは、形や広がり方まで想像するのが難しい場合があります。
そこで、次にじんましんが出たら、赤みが消える前にスマートフォンで写真を撮ってください。
さらに、次の三つだけメモしておきましょう。
- 出た時間
- 出る直前にしていたこと
- 食べた物や飲んだ薬
完璧な日記でなくて構いません。
「夜9時。入浴後。夕食は焼き魚。夕方に薬を飲んだ」
これくらいで十分です。
原因を自分で決めつけるためではなく、「どんな日に、何が重なったのか」をあとから振り返るための記録です。
6週間は、経過を見る一つの区切り
一般に、発症から6週間以内のじんましんは急性、6週間以上繰り返すものは慢性として分類されます。
ここで大切なのは、6週間という数字だけを待つことではありません。
「いつから始まったか」「どれくらいの頻度で出るか」「一つの膨らみがどのくらいで消えるか」を記録しておくと、経過を整理しやすくなります。
同じ場所の発疹が何日も残る、表面がガサガサする、茶色い跡が残るといった場合は、一般的なじんましんとは違う可能性もあります。
皮膚だけでなく、出た日の体調も聞かせてください
明石市のにんじん堂薬局では、赤みやかゆみだけを切り取って考えるのではなく、胃腸の状態、冷えやほてり、睡眠、疲れ方、食事、生活の流れまで丁寧に伺います。
同じようなじんましんに見えても、出るまでの背景は一人ひとり違うからです。
「こんなことまで話していいのかな」
そう思うような日常の変化が、状況を整理するヒントになる場合もあります。
原因がわからないと、一人で答え合わせを続けたくなります。しかし、原因探しは犯人を一つに決める作業ではありません。
まずは、出たときの様子を残すこと。
写真を一枚撮り、三つのメモをつける。
冷蔵庫を取り調べるのは、それからでも遅くありません。
来店が難しい方、人目が気になる方、ご遠方の方には、オンライン相談も行っています。これまでの経過がうまくまとまっていなくても、そのままお話しください。一緒に順番を整理していきましょう。
※唇や舌、のどの腫れ、息苦しさ、繰り返す嘔吐、意識がぼんやりするなどの症状を伴う場合は、アナフィラキシーの可能性があります。薬局への相談を待たず、速やかな救急要請を検討してください。
参考:日本皮膚科学会「蕁麻疹診療ガイドライン2018」「皮膚科Q&A」、日本アレルギー学会「蕁麻疹(じんましん)Q&A」
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